アラビアに伝わる話がある。 その昔、あらゆる財宝を盗んだ、伝説の盗賊がいた。 彼の名は、ダラン。 彼は、手に取れる物は全て盗んでしまった。 …しばらくして、ダランは死期が迫っている事に気づいた。 「何か、最期に大きな事をやりたい。」 そう思った彼は、手に取れない物「命」を盗むことに挑んでみた。 自分を死に誘う「死神の命」を、盗もうとしたのだ。 ダランは「死神の命」を盗むのに成功した。 彼を死に誘った死神が絶命した時、ダランは、墓から蘇った。 転生して、死神になったのだ。 体は腐食していたが、そんなことはどうでもいい。 蘇ったのだから。 魂は無事なのだから。 その後、ダランは黒いコートを身にまとい、エジプトに移った。 「死に誘うもの」として、死を司る神「アヌビアス」に仕えるためである。 彼は、生前の技能を認められ「神衛隊長」にまで昇格した。 そして、今日も人を死に誘っている…。 2002年8月21日 制作 (注)作者が勝手に作った話なので、アラビアには伝わってません。念のため。 |
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